桂林のユニークな子育ての風俗

2012年05月17日中国文化


 桂林では、妊婦がいよいよ分娩を迎え安産させるように家族が事前に用意した雄鶏をつぶし、妊婦に食べさせる風俗が残っています。雄鶏の料理を食べた妊婦は体力が付き、分娩の苦痛に耐える能力を高めるためでもあり、また魔よけも出来るという言い伝えがあるからだそうです。赤ちゃんが生まれた後、「開口水」(口が開いた時、初めて乳児に飲ませる水)を飲ませることがあり、この「開口水」というのは薬局で販売されている赤ちゃん専用の苦みを帯びた漢方薬のことです。この漢方薬が胎毒を取り除くことができるということですが、「先に苦み(苦しみ)を嘗めさせ、後が甘い(いい)事が来る」という意味を込めて、赤ちゃんのこれからの人生の苦労に耐える能力を備えるように願います。そして赤ちゃんが生まれた後、後頭部の健康的発育のため、米の入った小さい枕を使い寝かせることにします。赤ちゃんが生まれて10日後、親戚や友達がお祝いに来る時に必ず、主人の甘酒で茹でた卵を(ふつう一人3個ずつとされます)食べる習慣もあります。そして生まれて一カ月になると、お母さんが赤ちゃんを抱いてお婆さんと共に、野菜市場に葱(「葱」の発音が「聡明」の「聡」と同じで、「頭がいい」、「利口」という意味になります。)、芹(「芹」の発音が「勤勉」の「勤」と同じです)、大蒜(「大蒜」の「蒜」の発音が「算数」の「算」と同じで、算数に強いとか、計算が旨いとかの意味)を買ってくると約束します。つまり子供が大人になってから、「聡明」、勤勉、且つ頭がよいであるように期待しているわけです。そして帰りの道で真んまるく、滑らかな玉石を拾って来る習慣もあります。というのは、子供が大人になって「有胆有識」(度胸も見識もあること)であるようにも期待しています。この玉石は子供の結婚までずっと大切にしまっておくとしています。赤ちゃんがうまれて100日目になると、初めて肉料理を食べさせるようにします。それはまず肉のミンチを食べさせたり、鶏肉のスープンを飲ませたりすることになります。場合により雀の肉を食べさせる場合もあるのは大人になってから、雀みたいに口がうまく、話は上手であるように願うからです。また「百日目の酒宴」も開き、親戚や友達などが一斉にお祝いに来てくれるのを楽しみにしています。子供がその後、元気に育っていけるように意図的に聞きづらい名前を付ける親もいます。聞きづらい名前の子どもはいつも元気だという風説があります。それから誕生日になるたびに「長尾巴」と言われて、意味は「尾が伸びて、長生き出来る」という願いが込められているようです。

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作者:( 「ふれあい中国」)

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