「お茶話」より「世間話」の桂林の茶室
2012年07月25日中国文化
中国人は昔からお茶を飲む習慣があり、早くも1200年ほど前の唐代、お茶の第一人者と言われた陸羽により編集された«茶経»という本が世間に読まれていました。お茶を飲む文化が系統的に伝承され、中国人の普段の生活に浸み込むことに至ったのです。そればかりではなく、中国のお茶は中国の焼き物やシルクなどと並んで諸外国との貿易の目玉商品として脚光を浴びていました。このように、お茶はまるで中国の代名詞のような存在になり、お茶の文化は中国の伝統文化として根強くその発展が絶えることなく、親しまれてきました。
茶室により中国式の茶道のコースを教える店もあります
桂林は中国のお茶の産地に近い南方にあるうえ、お茶を飲む歴史もかなり長いと言われ、時代が進むにつれてただ飲食としてのお茶を飲む文化がこの新しい時代に応えるための形にバリエーションしました。町の中で昔の零細的なお茶を飲む旧式の店が殆ど消えて、替わりに集中的になっている新しい茶室に変貌して登場しました。中で桂林の穿山公園に近い穿山小街と桂湖に近い翊武路にある茶室が規模的で、人気が集まっています。
これらの茶室はあるメーカーの代理店として専門的にそのお茶の専売を行っていると同時に、立派な内装と雅さに溢れた環境を売り物にして市民向けのサロンバーみたいな形で営んでいる店が少なくないと思います。
桂林では日本と違い、コーヒーショップを利用するよりもお茶を飲む習慣が根強いから、ビジネス以外に、ストレス解消、意思疎通(中にマージャンやトランプをしてもいいという店もある)などの相談がある時、往々にしてこういう茶室に向かい、店の店員さんを前にして気を長くし、出来たてのお茶を飲みながら、相談と話し合いに入ります。中にある種のお茶だけに拘っているお客がいます。話しによると、お客さんが大体行きつけの店(その店のお茶の味が気に入った可能性があり、勝手に店を変えたくないでしょうか?)があり、ある程度、常連客になったので勿論、気に入ったお茶を勧められたら、帰りにそのお茶を買って帰るかも知りません。確かにずっと同じ店のお茶を飲むとかなり口が肥えてくるこだわりのお客さんが出てくるはずです。実際、まともな相談事がなくてもただレジャーの目的としてさりげなく集まって来る市民も少なくはないという話もあります。こういう場合に限り、お茶代と店としての場所代を払えばよろしいです。茶室は営業時間が正午から始まり、深夜まで市民であるお客さんを静かに迎えています。お客さんが自分のすっかり行き付けの茶室でほっとし、気兼ねも何もしないので、まさしくのんびりした気分に心を和ませたり、安らぎな一時を過ごすことができるのです。消費する費用が飲むお茶によって違いますが、それほど高い価格ではないようです。とにかくお客さんの口と、体の調子に合わせて気軽に選んだ茶室なので、交際へ向けてのレジャーとお茶の効用性重視、健康重視を満足させるタイプで、利用客が日増しに増えるかも知りません。凌ぎを削るほど激しい競争の中、どうやってこのレジャー目当てのお客さんを獲得できるのか?各茶室の経営者が逆に最大限に脳みそを絞り、真剣に検討しなければならない死活にかかわる課題です。
逆光に撮った茶室にくつろげる机と椅子が設えられています。夕方以後、お客さんはここにやってくるということです。
今のところ桂林では世界のコーヒーショップの帝王と言われるスターバックスがまだ進出していないですが、日本系か台湾系の「上島コーヒー」の外来者や本土生まれのコーヒーショップなどが市民の消費者争奪に躍起になっています。地元関係の茶室が新しいレジャースタイルのニーズに応えようと、サービス多様化への改善をなんとかしないといけないと認識すべきものです。昔ままの「のんびり」し、単一した経営に胡座をかいていられなくなったのではないでしょうか?わたしの親戚がこのような茶室を経営していましたが、やはり昔ままの「のんびり」した経営理念で、「ただ、ひと部屋分の茶室をやって何か難しいことはないだろう」とたかをくくったので、つい潰れてしまいました。
ある種のお茶を専売している茶室のようで、ガラスドアに求人のチラシが張ってあります。
内装の立派な茶室で、貴い雅さが漂っています。
いかにも中国らしい店構えの茶室で、お茶飲みの伝統文化の雰囲気をすっかり醸し出しています。
あなたはもし桂林に観光に来るならば、このような桂林式の茶室に入り、旅に疲れた体を休めようと、しばらく桂林式のくつろぎを体験してみてください。きっといろいろと「お茶話」より、「世間話」を聞く事が出来ると信じています。
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コメント(2)
作者:( 「ふれあい中国」)
前の文:桂林に根ざした外来の食文化
水竜先生からコメントをいただきまして、誠にありがとうございます。ただ私が最近、広州にいってきたので、水竜先生のコメントへの返事が大変遅くなりまして、申し訳ありません。コメントを読み、実は水竜先生が中国のお茶飲みの作法や中国の茶文化に大変詳しいことが分かりました。普通の日本人のお客さんには中国の功夫茶(小さいお猪口で飲むお茶)などか理解できません。日本の東京でも中国のようなお茶飲み作法の店があると書いてくださり、値段が高いことがわかりました。おそら中国では物価がどんどん上昇していますから、おちゃの価額もますます上がるでしょうね。桂林は中国の地方都市で、物価が上海、北京ほどではなく行き着けの店になった以上、気軽に自分の好きなお茶が買えることができまして、価額が様々ですが、喩え最後に気に入ったお茶がなく、買わなくても茶代として20元、30元ほどやればよろしいと思います。ちなみに今の桂林の一部のお茶室は仲間同士のマージャンやトランプを楽しむレジャー意味の場所に変わったようです。伝統的な茶室の経営方針が時代にも桂林の町の雰囲気にも合わせているからお客が少なくはないそうです。これも桂林のお茶の文化の新しい現れかも知れませんね。ただお茶単一だけの経営では激しい競争には太刀打ちできないということです。
中国を旅していて、歩き疲れると町の小さな茶館に入ります。茶館の亭主が欅の一枚板の大きなテーブルの前に座り、工夫茶を振る舞ってくれます。入れ方にも作法があって、巧みな動作を見ながら小さな杯で、お茶を飲みます。一杯目から二杯目と、お茶の味が変わってゆくのも楽しみのひとつです。また、同席しているお客と話をするのも楽しいです。私の下手な中国語にも付き合ってくれるので、勉強にもなります。お茶をご馳走に(試飲)なるだけなら、大抵はお金を請求されません。心付けを置こうとしても、受け取りません。したがって、銘茶を買って帰る羽目になるのですが・・・ 東京にも中国茶を飲ませる店はあるのですが、値段は驚くほど高いです。好きなお茶の銘柄を選んで、備え付けのポットで湯を沸かし飲みます。少量のお茶請け(お菓子)がついて、1200円くらいですね。董さんが紹介してくださったようなお店で、もっと安く中国茶が飲めるなら、東京でも人気がでると思いますけどね。