長江第一湾

「長江第一湾」は中甸?沙松碧村と麗江?石鼓鎮の間にあり、海抜1850m、麗江の県城から70㎞、中甸の県城から130㎞離れた場所に位置します。

チベット高原から流れる長江源流の金沙江は瀾滄江?怒江と並行し、横断山脈の深い谷間を南北に流れ「三江併流」の奇観を創り出しています。瀾滄江と怒江はそのまま南下していますが、金沙江は石鼓鎮の海羅山に阻まれ180度向きを変えて、北東へ向かい中国南部に流れていきます。その金沙江の大きなカーブは長江最初の湾曲で「長江第一湾」と呼ばれ、もし、この「長江第一湾」がなければ、中国の地理や歴史が大きく変わっていただろうと推測されています。

金沙江は雲南省と四川省を隔てて最大落差3000mに達し、河の両岸は断崖絶壁が続き渡河は困難を極めますが、「長江第一湾」付近になると川幅が大きく流れも緩やかになるため、昔から各民族の南北交通の要所であり、数少ない渡河地点の一つとして重要な軍事拠点となっていました。古くは三国時代の諸葛孔明が雲南征伐の際にこの岸を越えて四川から雲南へ向かい、元のフビライの雲南遠征の際にもここから大理へと南下していきました。近代では中国共産党が長征の途中でこの岸を渡り長江を越えることに成功し、北上していきました。「長江第一湾」を一望できる丘にはその記念碑が建てられています。

「長江第一湾」近辺は川に運ばれてきた肥沃な土地と穏やかな気候に恵まれ、産物で豊富な高原として「小江南」と呼ばれます。そして、昔ながらの村々が棚田に囲まれ、のどかな田園風景が広がっています。この地では春に桃、李、菜の花が咲き乱れ、麦の緑が風で波打ち、秋に豊かに実った黄金色の稲穂が辺りを美しく染めます。

石鼓鎮
石鼓鎮は「長江第一湾」の湾曲した先端にあり、チベットや四川のと交易拠点として栄えたナシ族の村で、2005年に上映されたチャン?イーモウ監督、高倉健主演の映画「単騎、千里を走る」のロケ地としても知られています。村の中には明の時代嘉靖27年(1548年)にチベット軍を撃退したことを記念して、麗江の土司が建てた石碑が残されています。石碑の大きさは直径1.5m、厚さ0.7m、この太鼓の形状をした石碑が石鼓鎮の名前の由来となっています。この石碑は長い歴史を持ち、側面の亀裂が広がると世の中が乱れ、逆に閉じると平穏になるという伝説を持っています。

村の入り口には「鉄虹橋」という1887年に建てられた幅4m、全長17mの吊り橋があり、手すりは鉄の鎖でつながれ歩道は板張り、両端には門楼があります。映画「単騎、千里を走る」の中で主演の高倉健がこの橋を渡ったワンシーンが有名で多くの人に知られています。村の一番高いところには高台が作られ、「紅軍長征渡江記念碑」と「紅軍長征渡江銅像」があります。その高台から「長江第一湾」と石鼓鎮を一望することができ、U字に湾曲して流れる金沙江や遠くまで広がる棚田の壮大な景観と連なる黒い瓦屋根やそこで生活する村人の素朴な様子が訪れた人々の心を和ませてくれます。

麗江の関連ツアー