独秀峰

独秀峰は王城の真中に聳え立っている山です。桂林は独特の景観を持った山々に囲まれた土地ですが、この山は特に珍しいです。平地の中でただ一つ抜け出した孤峰は、超然としており、「南天一柱」の称号があります。
独秀峰は畳彩山、伏波山と鼎立し、桂林市内の最も代表的な山です。海抜216mで、平地からの高さは66mです。3.5億年前に石灰岩で形成され、三つの垂直の割れ目が雨水の浸蝕で崩れ落ちて今の形になりました。独秀峰は平板な丸い形をしているので、朝夕の日差しを受けると、まるで紫の袍を着ている王様のように見えます。それで、紫金山とも言われています。306段の石段を登って行く途中には、両側に多くの石刻があります。中には「桂林山水甲天下(桂林の山水は天下第一)」という漢詩も見られます。頂上に登りきると、特徴ある桂林の街並みが一望できます。
また、独秀峰には独秀亭、太平岩、月牙池、雪洞、中山記念塔などの見所があります。
1. 独秀亭

独秀峰の頂上にある六角形の二階建ての建造物です。瓦屋根に赤い柱と重ね軒の古代建物を真似て造られた高さ7mの亭です。柱の間には特徴ある透かし彫りの窓があります。独秀亭に隣接する小さい亭の展望台からは、桂林風景が一望できます。
 
2. 太平岩
独秀峰の西麓にある洞窟で、元々は西岩と呼ばれていました。高さ2.9mで、北側が雪洞と繋がっています。洞内には明恭恵王が描いた劉海の肖像があるため、劉海洞とも言われています。明嘉靖時代(1522年~1566年)に再開発した時、太平通宝と書いてある硬貨が出土したので太平岩と名付けられました。
太平岩の特色は、床が整地したように平らで、広い家屋のように見えます。天上には鍾乳石がびっしりと垂れ下がっています。明の藩王が洞窟の壁に仏像を彫刻したり、詩文を書いたりしました。今でも壁に王室の詩文が沢山残っており、また世界文化奇観と言われる石刻の太歳星もあります(太歳は伝説上の神の名で、古代の信仰では地上から天上の“岁星”(木星)と呼応して運行するとされています。そこから土木工事で土を掘るときには“太岁”の方位を避けないと災いを招くとされました)。1996年には国家重点保護文物に指定さています。
 
3. 月牙池
独秀峰の麓、東側にあります。以前あった独秀泉を基に、お月様のような池を掘ったことから名付けられました。水上に橋と亭があり、池の周りには枝垂れ柳が揺れ情緒が感じられます。月牙池、東聖母池、春涛池、白龍池は桂林の四大名池と言われています。
 
4. 雪洞
独秀峰の麓、北西側に位置した高さ3m、奥行き32mの鍾乳洞です。真っ白な雪のような鍾乳石は珍しく、また壁も真っ白なので雪洞と名付けられました。雪洞と書いてある入り口の脇に、鳳凰の形をしている石があります。昔、唐代の詩文が彫ってあったそうですが、長い年月の間に消えてしまいました。
 
5. 中山記念塔
広州革命政府の成立と、広西の統一を記念するために建てられました。1921年、国民党の孫文、白祟禧が誓いを立てて北征に出陣した場所です。桂林市の重点保護文物に指定されています。